むし歯治療で患者さまの負担を軽くするために重要なのが、早期発見・早期治療です。初期むし歯は痛みを感じないことが多いため、早期発見がなかなか難しいでしょう。痛みが現れたときには、すでに進行しているケースがほとんどです。
むし歯は、進行すればするほどに治療の負担が大きくなるため、患者さまご自身のためにも定期的な受診で早期発見・早期治療を目指すことが大切です。当院では、むし歯治療の痛みを軽減する工夫を取り入れておりますので、痛みが苦手な方もお気軽にご相談ください。

むし歯治療では、麻酔注射をするため、治療中に痛みを感じることはほとんどありません。しかし、この麻酔注射の痛みが苦手なために、むし歯治療を受けられずにいる方が少なくないのです。そこで当院では、麻酔注射の痛みを抑える工夫を取り入れております。

当院では、拡大鏡を用いて肉眼では確認できない箇所も把握し、精密な治療を心がけております。むし歯と健康な歯の境目を確認することで、削る量を最小限に留めることができます。天然歯は削ると二度と元に戻らないため、拡大視野下での治療は歯の寿命を延ばすことに繋がります。

むし歯治療で歯を削ったところには、詰め物・被せ物を使用します。歯を削るのであれば、少しでもきれいに整えたいですよね。しかし、審美性を優先すれば費用が高くなります。そこで、審美性を保ちつつ費用も抑えたい方におすすめなのがコンポレットレジンです。
コンポジットレジンとは、セラミック粒子と合成樹脂の割合が8：2の白いプラスチック素材です。ペースト状のプラスチックを歯に詰めて特殊な光を当てて硬化させます。天然歯と色のなじみがよく、目立ちにくいというメリットがあります。また、金属の詰め物のように、歯や歯茎に金属イオンが着色することもありません。
さらに、むし歯で削ったところに直接詰めることで、健康な歯を大きく削る必要がないこともメリットです。接着剤もすぐに塗るため、そこから細菌が侵入して感染症になるリスクもほとんどありません。

むし歯になる条件は、「歯質」・「時間」・「糖分」・「細菌」です。糖分を摂取すると、虫歯菌が酸を出します。酸で溶けた歯は、唾液が持つ再石灰化の作用によって元に戻るのですが、酸にさらされている時間が長くなると、再石灰化が追いつかなくなることで歯が大きく溶けてしまいます。そのため、食後はなるべく早く歯磨きをして糖分を洗い流す必要があるのです。
また、歯質によっても、むし歯のリスクが異なります。エナメル質が薄い、溶けやすい場合は、それだけ早くむし歯が進行します。

歯が白く濁る、白いまだらがある、といった症状はむし歯の可能性があります。正しい歯磨きとフッ素塗布による歯質の強化によって改善が期待できます。

歯の最も外側にあるエナメル質のむし歯です。痛みがないため、気づかないケースも少なくありません。治療では、正しい歯磨きやフッ素塗布、歯の溝をプラスチックで埋めて固めるシーラントなどで改善が期待できます。進行している場合は、むし歯の部分を削ってレジンを詰めますが、多くの場合は1回の治療で済みます。

エナメル質の下にある象牙質にまで進行したむし歯です。むし歯の部分は黒くなるため、この段階で気づく人が多いでしょう。さらに進行すると、甘いものや冷たいものがしみることがあります。むし歯の部分を削り、詰め物・被せ物を適用します。銀歯や金歯、セラミックなどさまざまな種類があるため、それぞれの特徴を詳しくご説明したうえでお選びいただきます。

むし歯が歯の神経やその近くまで進行した状態です。神経に炎症が起きることで激しい痛みが現れます。歯の神経が入っている根管の内部をすみずみまできれいにして、被せ物で歯質を補います。被せ物には、銀歯や金歯、セラミックなどがあります。

歯の神経の炎症が続くと、いずれ神経が死んで痛みを感じなくなります。しかし、歯の根の先に膿が溜まると再び痛み出したり、周りの歯に悪い影響を与えたりするため、放置してはいけません。C3と同じく、歯の根の治療を行う場合と、抜歯をする場合があります。抜歯後は、歯を補うために入れ歯やブリッジ、インプラント治療などを行います。

むし歯の条件を揃いさえすれば、何度でも再発します。そのため、治療後も定期的にメンテナンスに通い、むし歯の早期発見・早期治療に努めることが大切です。むし歯治療をくり返すと、いずれは削れる歯質がなくなってしまい、抜歯することになります。
また、歯磨きを丁寧にしていても、磨き方の癖によって磨けていない部分が出てきます。そのため、定期的に歯科医院で歯のクリーニングを受けて、歯垢や歯石を徹底的に取り除くことが重要です。より多くの歯を長く残すためにも、定期的なメンテナンスに通いましょう。